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ふるさとのお社探訪

指宿市 南方神社「神舞(かんめ)」~3年に一回の開催

◎お諏訪様-南方神社

 南方神社は、古来「諏訪大明神(すわだいみょうじん)」と呼ばれ、主祭神は健御名方命(タケミナカタノミコト)と八坂刀売命(ヤサカトメノミコトで、山川郷成川村の総鎮守であった。

 創建については、昭和2年の火災により古文書等が焼失したため、資料が少なく詳らかでない。一説に、中世指宿地方を支配した伴姓頴娃氏の創建と伝えられるが、いつ誰の手による創建かは不明である。諏訪大明神の末社であった霧島神社の改築に伴姓頴娃氏が関わった記録から、約500年前には存在していたものと考えられている。

 

◎祓いと祈願の神事~成川神舞

 成川神舞は、指宿市山川成川に伝わる夜神楽である。神舞の歴史もはっきりとは分からない。ただ、諏訪大明神の社家であった有馬家の家系図に、江戸時代の慶安2年(1649年)吉田家から裁許状を受けた有馬純定が、このころ藩主島津家久の前で神舞を舞ったと記されている。このことから、慶安から万治年間には成立していたと思われ、400年近くの歴史があるといわれている。

 古くは33番の舞があったとされるが、現在の番数は本来神舞の番数に入らない二つの舞を入れて14番を数える。

 成川神舞は、「グレ(廻巡幸祭)」あるいは「ハマクダイ(海賓幸祭)」という特殊な神事に付随して行われたものである。これらは「国家にコトアル時」や「氏子にコトアル時」に行われ、この最後に夜を徹して神舞が神社で舞われていた。

 現在は、その伝統のもとに3年に1回、2日間の「グレ」を行い、最終日の夕方から成川保育園の庭で神々を勧請して神舞保存会による神舞を奉納している。期日は例祭日である10月28日に近い土日を選んで行われる。

 

◎グレ(宮入れ)~家々の祓い

 グレは、南方神社から始まる。出発に先立ち「舞出し」として四つの舞が境内で舞われる。そして「出発ちの歌」に送られて行列が進む。

 

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 グレを依頼した家に着くと、神輿を縁側から床の間に入れる。その家人が着座し、宮司が祝詞を奏上すると同時に、楽に合わせて内侍舞が舞われる。室内の舞が始まると、外庭でキンネンタマ舞、長刀舞、ミッキジン舞が次々に舞われる。舞うことで家の内外が清められるのである。舞が終わると、隊列を整えて次の家に向かう。

 グレは二日間行われ、100軒以上の家々を訪問する。二日目の最後は、成川保育園の庭に設置された畳敷きの舞庭で、出発と同じように四つの舞の「舞込み」が行われ、グレが終了する。この舞庭で、夕方から神舞の奉納が行われる。

 

◎神舞奉納~夕方から深夜までの夜神楽

 神舞の会場の概要は、まず、北方に「大奉松(デフマツ)」という枝を三節残した7mほどの松の木を立てて五方から縄を引き、三節目の枝に神々が降臨する「八張(やつはり)」を下げる。大奉松の下には神輿を置き、正面を除いて周りを松やユスノキで深々と囲う。神輿の前に32枚の畳を敷き、四方に竹を立て、注連縄を引き巡らす。紙垂は、「ナカトイ」と呼ばれる決して折らないものを多く下げる。舞い手は、南側に立てた鳥居から入場する。楽人は西側に位置する。

 神舞の順序は、①神降ろし(天神地祇、日本国中六十余州の神々を勧請する)、②御手座上げ(みてぐらあげ 献饌として五穀及び成川の産物を献じる)、③祝詞奏上、④区長祭文(成川区の代表である区長が、神々に感謝と成川区の安泰を申し上げる)、⑤玉串奉奠と進み、⑥神舞奉納となる。

 舞の順序は、次の通りである。

 

1番~内侍舞(ネイメ)、2番~キンネンタマ舞、3番~祝子舞(ホイメ)、4番~田の神舞、5番~踏剣舞、

6番~小神子舞、7番~地割舞、8番~抜鬼神舞、9番~長刀舞、10番~幣立舞、11番~五方鬼神舞、

12番~二本刀舞、13番~猿女舞、14番~十二人剣舞

 

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 すべての舞が終わると、⑦大祓(大祓詞奏上の間、舞庭に入った観衆の周りを十二人剣の舞い手が剣を立てて歩き続ける)があり、⑧撤饌と⑨神上げで終了となる。夕方から四、五時間かかるため、終了は深夜に及ぶ。

 その後、宮司と伶人及び神社役員が神輿を神社にお還しして、還幸祭を執り行い二日間の神事が終わる。

 

 

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◎平成28年の神舞を終えて

 今回の神舞は、平成28年10月22日(土)と23日(日)にわたって行われた。グレは二日とも日中、大雨の中決行された。この天気は、これまで経験したことがないと言われるものだった。

 二日目の夜は雨がやみ、多くの観客のもとで素晴らしい奉納ができた。この二日間、神舞保存会の努力と成川区民の協力で、お諏訪様を始め勧請した神々がお応えになったものといえよう。今後も、地域が一体となった祭りを続けていくことが期待されている。

 

南方神社

宮司 福ヶ迫 忠



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