• 素盞鳴尊（スサノオノミコト）
• 稲田姫命（イナダヒメノミコト）

二月第三日曜日の安楽山宮神社の市渡祭は、麓の若宮神社へ御神幸する祭事であるが、お帰りの時、当神社をお旅所としてお休みになる。当神社はこの山宮神社の神輿を送迎する行事を行う（船磯まで出迎え若宮神社まで随行）。

旧記によれば、当地は往古より島津荘の水門志布志津として上方始め遠近へ通商の船舶が常に輻輳し、豪商が軒を並べ口碑に伝わる志布志千軒町として市井繁盛を極めた。宝永三年二月の文書により、商業神と伝えられる祇園社の存在が想像し得るが、明確な記録はない。安永六年編の文書に「祇園社町下浜辺に在り」とある。また天明三年編の「志布志記」に「祇園社住吉社相殿当町下浜辺に在り　当町繁栄海上安全の為め安永六年丁酉六月勧請するなり」とあり、一時衰えて当年再建されたものと思惟される。慶応二年編の文書には「文久二年宮居作替相成り神輿等申下し祇園会相務め候」とあり、この頃祭典が盛大に挙行されたことが窺われる。明治元年八坂神社と改称して現在に至る。