鹿児島神社町 KAGOSHIMA SHRINE AGENCY

竹田神社 宮司 井上 祐史

水車カラクリの由緒

 鹿児島の夏祭りは六月灯と呼ばれ、江戸時代に鹿児島城下ではじまり、現在は県内各地の寺社での夜祭を六月灯と呼ぶようになりました。南さつまにおける水車からくりは、用水路にかかる水車を動力として人形を動かす伝統芸能であり、南さつま地域に分布し、夏祭り六月灯で披露されるものであります。起源は不明ですが灌漑用水路を利用する点に着目すれば現在の水車カラクリの形に形態が整えられたのは早くても18世紀中頃以降と考えられます。

竹田神社の水車カラクリ

 加世田の竹田神社水車カラクリでは、垂直方向の動力を、歯車により水平方向の動力に転換させている点が注目されます。演題は島津忠良(日新公)の武勇を伝えるものが多く、武者人形が勇壮に回ります。

 竹田神社の水車カラクリの特徴は、人形を見せる「回り舞台型」水車カラクリと言えるでしょう。竹田神社の水車カラクリは国の選択無形民俗文化財として「薩摩の水からくり」という名称が付けられており、また鹿児島県の有形民俗文化財として「薩摩の水車からくり」という指定も受けています。